ベネズエラ大統領拘束
超高速オペレーション
トランプ大統領がマデューロ氏をベネズエラ国内で拘束したニュースは多くの人にとって2026年最初のビッグニュースだったのではないでしょうか。たった2時間でこの拘束ミッションを完了したということは、完璧な準備がされており、現地の大統領官邸内や軍部にも相当なアメリカサポーターがいたのでしょう。世界一の諜報能力がこのミッションを可能にしたのでしょうが、北朝鮮のあの人も2時間位でサクッと拘束できないかつい想像してしまいます。
日本メディアの報道(私は見ておりませんので推測です。)
日本のメインメディアの報道は恐らく、トランプ大統領の国際法違反云々という論理展開をしているのではないでしょうか。現状アメリカの世論調査でも、この作戦に反対意見の方が強いようです。多くのアメリカ人は明確な目的無く他国に介入してアメリカの傀儡政権を築くような政策に現在は強く反対しています。21世紀以降、アメリカの作戦はイラク、アフガニスタンなどなどで失敗してまいりました。ウクライナもこの例の一つという見解もございます。大多数の米国民を無視して、他国への介入を増やし、一部米国人にのみ利益があるような政策にうんざりした反グローバリスト達が、トランプ支持に回っているという背景もあります。
では逆にどのような状況であれば、他国への攻撃が正当化されるのかといえば、自国への具体的な脅威がある時でしょう。米国へ脅威となる大量破壊兵器があると言われたイラクには大量破壊兵器の微塵もなく、米国の介入は何万人もの現地人の命を奪いました。その行動を正当化するために、米メディアがその当時報道していた内容は、米国が1945年以降日本で成功したようにイラクの人々へ民主主義を教えてあげようといった内容でした。現在はアメリカ人の多くはこのような苦しい言い訳に呆れかえっています。世論調査で反対意見が強いのは、現状このベネズエラ事変が、イラクへの介入に近いものにアメリカ人の目には写っているからと考えられます。
今回、ベネズエラが国家レベルで麻薬ビジネスを行って、米国に売りつけて米国人の命と生活をリスクにさらしていたら、そこに正当性は成り立つでしょうか。また、ベネズエラ人も現状の政権に大きな不満を持っております。イラクやシリアの例を出して、日本のメディアは理論展開するでしょうが、それはさすがに無理があります。今回の件は1990年頃のパナマのノリエガ将軍事件が適切な比較対象だと思います。
ソーシャルメディア上の評論
もう一方YouTubeを含めたソーシャルメディアは、中国と石油を絡めての分析が多いのではないでしょうか。そういった側面も当然あると思いますし、基本賛成ですが、個人的な興味はもしこういったことが背景にあったらという部分に移っております。
歴史的分岐点になるとしたら
今私がここで述べたいことは、予想ではありません。もし、こういう側面があればもしかすると将来この事件を振り返った時に、この事件は大きな転換点だったという認識が生まれる可能性があるという話です。もしかすると、昨年のパナマ運河事変になる可能性もあります。
冷戦終結以降、アメリカは世界唯一の覇権国家(ユニポラーヘゲモニー)と自国を認識して、海外政策を展開してまいりました。世界中を米国に都合の良いように、一部のアメリカのグローバリストが儲けながら、世界を支配していくという海外政策です。建前はアメリカが世界の警察官として、綺麗ごとを並べながら一部の人たちが儲かるような政策を推し進めてきました。クリントン政権によるエリティン時代のロシアでの横暴などなど枚挙にいとまがありません。2010年頃まではアメリカは国力的にその政策は遂行可能だったかもしれませんが、国力的にアメリカにその実力が無くなっていることも事実です。
最近メディアで頻繁に使われるようになった言葉で西半球というものがございます。それは、南北アメリカ大陸とグリーンランド辺りまでが含まれます。トランプ大統領という自国以外に興味がないアメリカ人が世界を見ると、大事なエリアは影響を受けやすい西半球ということになります。今回の軍事作戦から読み取れる内容は、中国に世界中で好きにさせないぞというメッセージか、西半球にあるベネズエラという俺の庭では好きにさせないぞというメッセージかは、現段階では解読できません。
繰り返しになりますがベネズエラへ介入したからといって、米国が中国の他地域での横暴にも介入する可能性が高くなったわけではありません。今回の件が、強い2か国もしかするとロシアを含めた3か国が、地域覇権主義的に陣地を分け合い始める世界への第一歩になったかもしれないということです。それは、19世紀列強諸国が世界地図に線を引いてパイを分け合っていたような世界への逆戻りを示唆するものかもしれません。言葉を変えて言えば、アメリカのユニポラーヘゲモニー路線の終焉です。この方針はトランプ大統領以降でも引き継がれるかは分かりませんが、トランプ大統領とその側近はそう考えていて不思議はないと思います。
一点加えますと、もし中国の日本への挑発が増えたなと感じたら上記見解が正解の可能性が高いです。中国も安心して挑発を増やします。しかし、言い訳も加えます。アメリカが今まで通り他地域での横暴も許さない態度だった場合、したたかな中国はやせ我慢で挑発を増やす可能性もあります。どちらにしろ、挑発は増えます。
海外在住ベネズエラ人の帰国(モラル崩壊は不治の病)
日本で一番有名なベネズエラ人はカーロスリベラではないでしょうか。我々世代のベネズエラの以前のイメージは、彼の様に明るく経済的にも豊かな国だったかと思います。90年代位までにベネズエラに住んでいた方々は最高な国だったと口を揃えられます。しかし、30年も無秩序状態が続けば、街と人間はどれだけ変わるでしょうか。
シカゴにも多くのベネズエラ移民がおります。元々治安が良くないと言われていたアフリカ系の方が多いエリアに彼らの居住区が形成された経緯があります。そんなアフリカ系の方々ですら、ベネズエラ移民のせいで地域の治安が大幅に悪化したと言っております。工事現場やUBER配達員にもたくさんのベネズエラ系がいますが、正直お行儀の悪い方が多いです。これは本当に偏見ですが、30年もの間治安の悪化でモラルの崩壊した世の中で育った人たちは我々の想像を絶する苦労もあったかと思いますが、共存できるかといえば否です。
恐らくあと数か月で、日本の報道は手のひらを返して国際法違反の軍事介入という見解をやめて、海外在住のベネズエラ人の明るい帰国を報道するでしょう。報道の対象になる方々は比較的裕福な方でしょうし、明るい未来を想像させる報道内容になるかと思います。これも語弊のある表現になりますが、報道する側も私が工事現場などで見るお行儀の悪い人たちを対象にするわけがありません。
ベネズエラも鉱物資源も豊富だし、直ぐに蘇るという予想をされる方もいらっしゃると思います。鉱物資源で国が豊かになれば、とっくにいくつかのアフリカ諸国は豊かになっているはずです。アフリカ諸国の場合は、ヨーロッパの植民地としての過去、中国の債務の罠、一度も発展したことがないなど様々な他要因があるかもしれませんが、社会秩序無き所に経済の安定はありません。アラブの石油産油国の発展にイスラム秩序が大きく供与したことは否めません。彼らの国々も上記の中国の債務の罠以外、アフリカ諸国と同じ歴史を持っております。
明るい未来を夢見てベネズエラに帰国した方の希望は、2年位で絶望に変わるでしょう。特にヨーロッパなどで、移民による秩序の崩壊が言われております。怖いのは移民ではなく、それが原因の秩序の崩壊です。移民という異質のモラルを持った方が一定の割合を超えた時、その元来の伝統秩序は二度と戻らなくなります。ベネズエラの場合移民ではないですが、自国民に一定数の無秩序な人がいる限り経済復活はありえません。まさに、モラル崩壊は不治の病です。
追記(ご存じの方教えてください)
ノーベル平和賞受賞者
個人的な意見ですが、ノーベル平和賞はアメリカの気分次第だと思っております。佐藤栄作元首相や反核団体が日本では受賞しております。佐藤栄作元首相は非核3原則で有名ですが、その当時ニクソン大統領は日本が核を持つことに反対していなかったようです。なので、ニクソン大統領とは違う考えを持つグループが佐藤栄作元首相にノーベル平和賞を与えて日本国内の核を持つべきという世論対策を行ったと考えられます。反核団体の受賞も恐らく似たような背景でしょう。
2025年度のノーベル平和賞はベネズエラのマチャド氏でした。マデューロ氏の拘束を聞いて、そういえばあのノーベル平和賞受賞者が後釜ではとピンときた方は多いのではないでしょうか。しかし、その予想は大きくはずれ、ロドリゲス氏という方でした。この背景をご存じの方がいらっしゃいましたら是非教えてください。因みに、いつも余計なことを言うトランプ大統領は演説で、“マチャド氏はベネズエラ国内で人気はない”と言っておりました。
ジョージアとイラン
大手メディアではほとんど報道されておりませんが、ジョージア(旧グルジア)もグローバリストと親ロシア派で国内が二分されているようです。報道は、ウクライナのゼレンズキーを正義の味方的に演出する手法と非常に似ております。YouTubeなどでインタビューの対象になっているのは、グローバリスト側の人達で英語が流暢でいかにもロシアがトンデモない国に見えるような演出がされております。あの英語のうまさを見ると、私は仕込みなのではと疑います。グルジアで起きていることは、ウクライナやイラク的な米国の干渉かと思います。言葉を変えて言えば、トランプ大統領の側近が操っている可能性は低いのではないでしょうか。
イランも最近暴動が頻発しているようです。これも恐らく、アメリカなどの超優秀な諜報機関が背後で煽っているのでしょう。イランの脅威がアメリカの行動に正当性を与えるほどの脅威かは私には分かりませんが、イラクやウクライナの件とは区別して考えるべきではと考えます。トランプ氏が大統領になったら、海外で余計な戦争をしないと期待していた支持者は多いと思いますが、ジョージア、イランと何かが起きそうな気配です。これら2か国の動きが、米国と中国、ロシアの現在地を示す指標になるのではと考えております。どなたか明るい方いらっしゃいましたら教えてください。