CREATIVE INTERVIEW
施工管理 沖田課長※取材当時

SKY MISSION
「ALONG THE SKY」ができるまで

早速ですが、プリンシパルホームの住宅と「ALONG THE SKY」の特徴と、 施工上心がけた点についてお話を聞かせてください。

沖田課長 :

前提として弊社は他のビルダーさんとは異なり、特徴的な家を数多く建築しています。決められた構造で同じものをつくるビルダーとは異なり、私達が作るものに同じものはありません。一般物件ではあまりない、敷地に合わせて斜めになっている構造や空間が多いのが特徴で、木と木を繋げる、梁と梁を繋げる加工が通常よりも難しいですし、工夫が必要です。当たり前の工程ではありますが、基礎から同じ形状で一寸の狂いもなく作らなければいけないので、常に正確さを意識した管理が必要となります。また、現場への指示、材料の手配についても、一棟一棟、それぞれの家に合わせていますので、臨機応変に対応する経験も必要になってきます。

SKY MISSION「ALONG THE SKY」の話に入りますが、まず外観で一番の特徴を持つ玄関上のブルーの優美な鉄骨箇所の施工に関しては、とても苦労しました。相当の重量があるため、プレカット(工場での加工)の段階より補強を施し、建物へ影響がないように配慮しています。施工時も大変でしたが、その準備段階であるプレカットの指示や設計とのやり取りなども議論を重ねた覚えがあります。
今までの建物についても、同じ建物が存在しないので、準備の段階から外部の業者さんとの綿密なやり取りを行い、一つひとつ丁寧に作り上げてまいりました。家の構造部分についても、絶対に壊れてはいけないですし、耐震について配慮する事は当然です。「ALONG THE SKY」の構造は更に特徴的でしたが、これまでプリンシパルホームが培った経験、ノウハウから施工が出来た、他社ではなかなか体験できない家だと思っています。

「ALONG THE SKY」の玄関を入りまして、まず目につく大きく上下左右に交差した階段については、現場の状況に合わせて溶接や、ボルトで固定をし、組み上げたものとなります。通常の建築会社で、ここまでの鉄骨階段をつくる会社はなかなかないと思います。なぜならば、手間がかかったり、ノウハウが必要だったり、例えば、打ち合わせの段階からどのように納まって、どのような形状になって、どのように見えるか、住まわれる方はどう感じるかなどを検討するところから始めるため、物自体のコストだけでなく、時間的コストも多く見る必要があるからです。私自身、量産するビルダーに勤めていたことがありましたが、そこでは体験することのない構造、空間でした。この階段は当社ならではのノウハウが詰め込まれている箇所、になるかと思います。

事前に細かな部分まで打合わせをして、発注をしたりと準備にも余念がない姿が想像できます。

沖田課長 :

「ALONG THE SKY」は、準備段階から多くの時間を要すプロジェクトだと予想していましたが、なるべく他の建物と同様の工期で進めれるよう、予めチーム全体で綿密な打ち合わせと業者さんとの連携をしてまいりました。ベテランの大工さんがタッグを組んで協力をしてくれたり、各業者さんがそれぞれの工事を進めるにあたり、なるべく工程の中で作業が重ならないよう、周りに配慮しながら順次進行を行なって頂いた関係でとてもスムーズに進められました。

空を身近に感じる家づくり

空が見える特徴的な家ですね。

この建築は、「空」をテーマにした「SKY MISSIONシリーズ」となり、第三作目となります。他にも「Sky Livingsシリーズ」など屋上や大型バルコニーを設置し空を取り込んだ住宅について建造しており、そのような設計ノウハウは分譲の現場でも多く反映されています。例えば景色の良い方向に大きなサッシをもって来たり、吹き抜けや高天井などを用いてどの部屋からも空を感じることができるなど、当社ならではの工夫をしています。

設計担当も、特殊な工事が多いことを理解してくれているので、「こういう風に納めようと考えたけど、どうかな?」「このようなことはできるか?」「どうしたらスムーズに施工できるかな?」などと都度相談してくださったり、頻繁に打合わせができていることは出来上がりに良い影響を与えているかと思います。

特に「ALONG THE SKY」では「お客様が実際にここに座ったらどう空が見えるか」「この部分を歩いたら空をどう感じるか」など空に関して社内のチーム全体で顔を突き合わせて話をしながら進めて参りましたので、その打ち合わせが生かされていると感じています。

見えない部分にも丁寧さを

ALONG THE SKYへは頻繁に足を運ばれていたそうですね。

沖田課長 :

そうですね。この現場はシリーズ第三作目でしたが、私がSKY MISSIONに関わったのは初めてでした。特に形状が独特でしたし、職人さん同士の連携と意見交換や打ち合わせが必要と思ったからです。
自分の指示通りにやってもらうのも大切ではあるのですが、職人さん同士のコミュニケーションについても考えました。大工さん、水道屋さん、ガス屋さん、外壁屋さん、電気屋さん、みんながそれぞれやりやすいようにと配慮しました。
細かな部分ですが、見えない部分にも気を配り「一般的にはこのようなやり方をするけど、こちらの施工方法はどうか?その方が、使う人にはいいよね」など逐一報告をして頂いて、その都度現場で改善をしていく方法をとりました。

建物が完成した時の想いは?

沖田課長 :

率直に、うれしかったです。特に、面積も大きな住宅だったのと、やはり当社の中でも特殊な構造の家ということもありますね。工種毎に完成していく度に「鉄骨階段が思ったように納まった!」「設備がきれいに納まった!」と小さな感動を自分自身で感じていました。
同時に「準備が大変だったなぁ」と思ったりすることが多かったですかね。何度も同じ話になりますが、現場監督の仕事は段取りなので。段取りの段階でうまくいくかどうかは決まっていると思います。また、お客様がそこに住んだ時のことを考えて近隣住人への配慮を心掛けました。引き渡し後も、気持ちよく住んで頂ける家づくりを心掛けています。

独自のスタイルの家づくり

SKY MISSIONシリーズは、他では見かけないスタイルの家ですが、今後の施工について考えていることがあれば教えてください。

SKY MISSIONシリーズは他に無い建築です。正直、このように難しい建築は、全て自分が携わっていきたいと思います。しかし、コストを上げずに建築することであったり、難しい建築であっても品質を高く施工するには、自分だけが経験していては他の人材が育ちません。今後は、当社の建築の中でも特徴ある現場でも高い品質で施工できる社員の育成にも取り組んでいきたいと考えています。

また、プリンシパルホームは、設計と工事の距離が近いのがメリットです。部署間の距離感が絶妙で良いと思います。この「ALONG THE SKY」の現場に関しても、図面をポンと渡されて出来るかというと、そういう事ではありません。工事と設計担当がどういう意図で作ったのかを汲み取って、お互いのコミュニケーションが取れることで、はじめて品質の高い家を作ることができます。
この作品でも、設計担当者は工事に丸投げではなく意図を伝えられるような図面を書いてくれました。違う業務でありながらも、図面と対面を通して意思疎通が出来たことで素晴らしい家ができたと思います。社内の連携ができるからこそ、成せる技かと思いますのでそこも強固にしていきたいですね。

家づくりのこだわり

当社のつくる家の「こだわりは?」

沖田課長 :

当社のこだわりは、一つでなく「全て」です。ドア一つとっても、住まう方に解放感を感じてほしいという気持ちから、他社よりも30㎝高いものを標準仕様にしています。また、その土地に合わせた間取りにしているので、どの家も決して同じ間取りのものはありません。光の入り方や風の通り道も、季節や時間帯による変化を緻密に計算し、設計に反映されています。
そして、それらを忠実に施工するのが、施工担当者の仕事です。「忠実な施工」は当たり前なことですが、決して簡単なことではありません。しかし、住まうご家族の心地よさへとつながってくれれば、と思い、もしかしたら気が付く方もいらっしゃるかもしれませんが、細部にまで、住まうご家族への想いを込めて施工をしています。

沖田課長の言葉の端々から、
施工担当者としての責任感と他社にはない
魅力的な家づくりが想像できました。
プリンシパルホームの「SKY MISSIONシリーズ」を
含めた全ての家づくりは、
一棟一棟が異なるデザイン、間取りです。
それは設計と施工が密に連携し、職人の高い技術力で
実現した家づくりであると言えます。

見えない部分にもこだわり、
住む人の心地よさを追求。
他社にはない独創的な空間づくりと、
それを支える確かなチームワークで建築された
家づくりを是非、ご体感下さい。